木材店が造る木の家 益子材木店

石川雲蝶作品の鑑賞バスツアー in 永林寺

date 2017.11.14

この週末に越後六日町を訪ね、予てより切望していたバスツアーに参加しました。国境の長いトンネルを越えると生憎の雨、朝の集合場所に選んだJR上越線六日町駅です。

JR上越線六日町駅

恥ずかしながら五十路半ばを過ぎて初めてのバスツアー参加でしたが、個人的に現在まで抱いていた「バスツアー」と呼ばれる企画モノの印象を覆す一日になりました。
ご当地の六日町観光協会さんが主催するこの企画は、新聞をはじめとしたメディアで広く報じられている俗に言う「食べ放題」「詰め放題」とはまったく異なり、ひとつの企画内容に特化して「紹介する」「知ってもらう」に努め、極めて関心度と理解度が深まる行程です。

また、おそらく個人の足で同じコースを回ったとしても、今回ほどの感銘と理解を得ることは無いと感じます。まさに「百聞は一見にしかず」を実体験し、そしてさらには言葉の中間に「教えと」が加わります。

石川雲蝶バスツアー

現実に時節柄の週末とあって、いくつかの訪問寺院で複数のツアー団体と行程が重なりました。ここで通り一遍の案内をする他ガイドさんの説明と当方とのでは、その「教えと」の幅と深さに歴然とした差がありました。これは参加者数名も同意見でした。
メインガイドを務めて頂いた中島すい子さんは「このバスツアーの参加者は女性が多い」と言われます。しかし職業柄、ぜひ多くのモノ造りに携わる男性諸氏の参加を期待したいとも思いました。

今回案内して頂いた寺院相互の申し入れで、雲蝶作品が収められている建物内の写真撮影は一切禁止でした。それでも私なりに感じ見た越後魚沼をお伝えします。


ほぼ定刻に六日町駅前を出発した大型バスは、関越自動車道を北上して最初の見学先である永林寺に向かいます。ここで本日の参加者は23名とわかりました。
走行中しばらくしてかつて私共が主催した森林見学会を思い出し、その当時の緊張感と主催者側のご苦労が脳裏に浮かびました。

到着すると玄関先に大きく「建物内撮影禁止」と掲げられてあり、早々にカメラをバックに仕舞います。こちら永林寺には、パンフレットにも使われる雲蝶代表作のひとつ「天女」「松に孔雀」などが納められてあります。堂内を見学するうちになぁるほど、素人のコンパクトカメラやスマホでの撮影では、これら作品の繊細な質量と色彩を伝えきることは無駄であることがわかります。
そこでここはまず「聞く」と「見る」に徹することが得策だと判断しました。
ちなみに上のパンフレット画像、右上が「天女」像です。

曹洞宗針倉山永林寺

ここで私も木材商の端くれですので、これらの作品にはなんの木が使われているのか…と目を懲らします。その多くはケヤキとわかりましたが、岩絵の具で鮮やかに彩色されている作品はなかなか判別できません。
しかしあの天女の細い指先や、厚板の奥までノミを入れた深さなどから推察すると、スギやマツなどの柔らかい針葉樹では無いと感じました。
さらにこの越後という場所柄、隣国の会津や奥只見からケヤキやタモなど大径の広葉樹が運ばれたのではないかと想像できます。

そうこうしているうちに予定時間の50分がアッという間に過ぎました。玄関を出ようとした帰り際、別の男性団体ツアー御一行様が訪れました。そしてバスに乗車後、撮影可能な本堂外観や境内の情景をもう少し撮っておけばよかったと後悔しました。

永林寺を後にしたバスは昼食会場に向かいます。個人的に肝心要の昼食は可も無く不可も無く…。中でも地元魚沼産白米とけんちん汁をおいしくいただきました。

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