date 2012.01.05
接待茶屋でしばらく休息した後、国道一号線を箱根峠に向かって進みます。前方に山の頂が見えてきました。目指す箱根峠もあとわずかと、つらい己に言い聞かせます。
この標識が国道一号線から甲石坂への分かれ。肝心の「箱根峠」の文字は陰に隠れて見えませんでした。どことなくこの西坂、下る旅人には優しいようで…。
そして甲石坂を上りはじめます。
上りの進行方向が過度の逆光になったため、後ろを振り返っての写真です。峠から下ってくる道中はきっとこれの連続だろうと、息が上がった自分につぶやきます。
小さな東屋がある平坦地に差し掛かりました。
ハテ、接待茶屋跡の手前にあった「かぶと石」とは異なるものであろうか…。
東屋からすぐ、視界が明るく開けると広い舗装道に出ました。
往事の雰囲気を味わえる旧街道西坂はここまで。逆に西坂を三島側に下る行程は、この案内板が事実上の入り口になります。
そして久しぶりに歩く舗装道を東に、箱根峠へと向かいます。
国道一号線との交差点を左折。箱根エコパーキングの中に通じる歩道を進み、冬の陽が傾きはじめた箱根峠に到着しました。標高846m、三嶋大社より三里12km。途中にロスタイムがあったものの、恥ずかしながら05時間47分の行程でした。
この時季箱根に吹く風は、歩き疲れて汗をかいた身体にも刺すほどに冷たく感じました。
現代の相模と伊豆との国境は、ひっきりなしに車とバイクが慌ただしく往来し、当時の様相からは想像もつかないほどの喧噪ぶりです。そんな中にも私どもと同様に、小さなリュックを背負った若い旅人数人が、交差点下で地図を広げて相談していました。