木材店が造る木の家 益子材木店

北鹿ハリストス正教会曲田福音聖堂

date 2011.02.19

敷地入口にある教育委員会の案内板より

この聖堂は明治25年(1892年)、曲田(まがた)の豪農畠山市之助が私財を投じ、信徒とともに屋敷内に建築した曲田福音聖堂で、設計は東京神田のニコライ堂の工事関係者と伝えられる。
建物は木造平屋建て、建築面積50.7平方メートルである。屋根は寄棟造柾板葺(現在は鉄板葺)で、外壁は下見板張りである。平面は十字型で、東から西に一列に至聖所、聖所、啓蒙所、出入口を配置し、天井は八角形に板を張り上げて浅いドームを形づくるビザンチン様式の教会堂建築である。この建物は、我国に残る明治時代の木造建築で、ギリシャ正教会系の教会堂として重要な遺構である。

北鹿ハリストス正教会曲田福音聖堂

恥ずかしながら私、訪問前日までこの教会の存在を知りませんでした。
現存する日本最古の木造建築の教会。総秋田スギで造られていて、今も明治時代のままの貴重な佇まいです。屋内は彩色塗装されていて、建築当時のままだとすると使われているのは天然秋田スギかな、材木屋としてはチョット残念です…。

山下りん筆聖像画

案内していただいたのは神父の釜谷さん。この教会内すべてのものに意味があることを教えてくださいました。また、堂内には明治の女性聖堂画家・山下りん直筆の貴重な聖像が多数掲げられてあります。その中の一枚、祭壇正面に四枚ある右端の聖像画です。
ここは至聖所に続くドアになっています。写真ではわかりにくくてすみません、右手指の部分が損傷しています。教会入口脇に募金箱があります。

聖堂内祭壇

訪問前は明治の建築物という心づもりで訪ねましたが、ここを去るときには「文化財の教会」と改めました。それにしてもこの山の中で、戦時中に軍部などからの弾圧を受けずによく保存されたと驚きました。

大館市曲田(まがた)80番地  秋田県指定有形文化財(建造物)

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