千葉県柏市内にある餃子専門店です。隣接する野田市に本店があり、つくば市や越谷市などでもその店名を見ることができます。しかし俗に言われるチェーン店ではなく、各店舗でお品書きやその焼き方が異なります。この柏店のお品書きは「焼餃子(一人前10個420円)」「水餃子(一人前8個420円)」「スープ餃子(一人前420円)」が三本柱で、それにご飯や漬け物(キムチ158円など)を付けるか否か、至ってシンプルです。
店内に大きく「水はセルフサービス」と手書きの張り紙があり、あまり店側から客を構う姿勢はありません。テーブルに置かれた調味料の容器には、「しょうゆ」「らー油」と手書きで書かれたラベルが小さくセロテープで貼られています。夕方の混雑時に冷蔵庫からビールを取り出し「キリンの一番搾り、一本取りました」と調理場に声を掛けると、「ありがとうございまぁす」と声が返ります。
注文の際の伝票らしきものはなく、食事が済んでレジの前に立つと、新聞折り込みのチラシを小さく切ったメモ用紙に走り書きされていて、それでいて支払いが間違っていたことはありません。店の奥に二昔前の大きな天井つり下げ型の業務用エアコンがありますが、音ばかり大きくて店内の空調を整えているとは感じません。お客さんは皆汗を拭き拭き食事をしています。
奥のテーブル席で若い家族連れが「ここ暑いね、エアコン効かないね」とささやく声が聞こえました。そう感じる人は来なければいいことで、この店は変わらずにずっとこのまま、この営業姿勢を貫いてほしいと思います。