木材店が造る木の家 益子材木店

長く深い眠りから覚めたヒノキたち

date 2019.04.10

ほんとうに実に久し振り、建具屋さんの作業場です。
弊店倉庫の奥のそのまた奥、遙か昔から深く静かに眠っていた天然木曽桧の加工です。

上野木工所01

数量的にはほんのわずかなものです。その表面は「これ、なんの木…?」と目を懲らすほどに黒く焼け、長い年月を経てようやく日の目を見たことがわかります。
それでもこうして一度ていねいに表面を削ぐと、そこはさすがに木曽ヒノキ。手のひらには油性、鼻にはあの芳香を放ちます。

天然木曽桧

朝からお昼まで木目を見ながら製材し、ようやく部材が揃うことを確認しました。
彼に「いつ頃まとまりますか?」と問うと「来月中にはなんとか…」。
今後折を見て製作工程をお伝えできると思います、さてナニができるでしょう。

依頼制作中のヒノキ製品の打ち合わせに、建具屋さんの作業場を再訪しました。

上野木工所02

ここまで形になるとおわかりでしょうか、こちらは総ヒノキ製の仏壇です。

総ヒノキ製仏壇01

当地下総で仏壇と言うと「関東型」と呼ばれる様式が一般的で、そのほとんどには広くケヤキが多用されます。その中で「できれば白木で明るく」とのご希望から、あえてヒノキを選びました。

昨秋に弊店ブログでお伝えしました「総天然木曽ヒノキ製御霊舎」とまではいかないまでも、正面からの見附には天然木曽ヒノキを選択し、側板や背板には弊店倉庫に深く静かに眠っていた高樹齢ヒノキを使いました。加工中に可能な限り辺材(シラタ)を排除して、今後長くヒノキ特有の色とツヤが残るように選別しました。
もちろんすべて自然乾燥材、あのヒノキ特有の芳香は健在です。

総ヒノキ製仏壇02

実に数十年振りに倉庫奥底から引き出して、一見しただけでは何の木か判別できないほど黒くホコリを被っていたヒノキでしたが、こうして建具屋さんの手によってお陰様でヒノキ本来の姿に蘇りました。完成までにあと一週間程を要するとのこと、完成品はもちろん掲載させていただきます。

依頼製品の進捗状況はさることながら、この日お連れした同行者さんが建具の加工方法にとても深い関心を示し、急遽建具屋さんから加工講義を受けました。

半端ない同行者

講義の時間が経つにつれて「へぇー…、なるほどなぁ…、すごいなぁ」と、この同行者さんの食いつき方は半端ない。こういう人がもう少しいれば我々も息が付けるのに…。

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